脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の原因と対策
脊柱管狭窄症で当院に来院される患者様も非常に多くみえます。なかでも最も特徴的な症状は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる歩行障害がみられることです。
軽度の症状なら、10分くらいは普通に歩けますが、症状が重い場合、100メートルくらいしか歩けないとか、1〜2分くらい歩くと痛みやシビレが起こってきます。そして、少し休むと再び歩けるようになってきます。
これが脊柱管狭窄症の最大の特徴です。この症状が患者様の60%〜80%の方に見られます。
他の症状として、腰痛が症状として現れてくるのですが、激痛というよりも鈍痛として現れてくる場合の方が多いです。
また、坐骨神経痛の症状が、お尻から太ももの裏側、ふくらはぎ、足裏などにかけて生じてきます。
そして、足に力を入れようとしても入らない、かかとが持ち上がらない、スリッパがよく脱げる、少しの段差でよくつまずくなどの症状があります。
本当にひどくなってくると、排尿、排便障害が起こってくることもあります。
尿が最後まで出きらない、尿意が頻繁に起こる、歩行時に尿が漏れるなどの症状があらわれてくる場合もあります。
【原因】
脊柱管の狭窄を引き起こす原因は3つあります。
@ 骨の変形です。
腰椎に過度の負荷がかかると、上と下の骨どうしがこすれあって、骨に骨棘(トゲ)ができ、これが脊柱管に突き出して狭窄の原因をつくってしまいます。
A 軟骨の変性です。
椎間板が衰えてきますと、薄くつぶれてきてしまいます。
そうすると、椎間板の一部の軟骨組織が椎体からはみ出して脊柱管内部に突き出て神経を圧迫しだします。
B 靭帯の肥厚です。
背骨を支える靭帯が衰えてきますと、靭帯の組織が硬くなったり、分厚くなってきたりします。その結果、肥厚した靭帯が脊柱管の内部に突き出して神経を圧迫します。
症状が軽いうちが勝負で、カイロの治療をしっかりして、まず原因になっているゆがみを治し、血流を良くしながら、運動療法を同時に行っていくとより効果的で症状が治まっていくこともよくあります。
これが重症化していきますと、手術が必要になってくる場合があります。
しかし、ほとんどの場合、大変な手術の割には、術後の症状が思わしくないケースも多いため、病院の先生方も積極的には手術をすすめることも少ないみたいです。なので、出来れば早期のうちに治療を始めていくことが何よりも大切だと思います。