慢性的な痛みを和らげるには
『慢性疼痛は不安神経症を伴う場合がある』
― 心のバランスが崩れ「脳の誤作動」が始まると治りにくくなる ―
現在、当院には京都、滋賀の総合病院や医大から「慢性疼痛」(まんせいとうつう)の患者様が多く紹介され来院されています。
病院から紹介され来院される患者様のほとんどは、ある特徴があります。それは「整形、ペインクリニック、神経内科、脳神経外科、内科、循環器科などあらゆる検査をしたが特に異常が見つからなかった」というケースです。
そして、あらゆる「科」で強い痛み止めや血液の循環を良くする薬、睡眠導入剤や安定剤などを処方され、しかもどれも「あまり効果がない」という状態に既になってしまっている場合が多いのです。
腰痛や座骨神経痛、肩こり、頭痛、四十肩・五十肩、胸郭出口症候群など、症状には本当に様々ありますが、発症してからすでに数年や数十年が経ち、しかもいくつかの病院を受診してあらゆる薬を飲んでも治らないという方がみられます。ほとんどの方の場合、すでに既存の医療に対して疑心暗鬼の状態に陥ってしまっていることが多いように思います。
写真:後列中央(酒井院長)他、医師の先生方
そして、「なぜ、自分だけが・・」という思いにかられ、寝ても覚めても24時間、365日というくらい症状のことばかり考え始め、いつの間にか頭から離れなくなってしまっているという不安神経症のような状況に陥ってしまっていることが非常に多いのです。
こうした場合、もはや心のバランスが崩れ、自律神経も乱れ、悪循環が起きている結果、脳から出る命令が何倍にも何十倍にも増幅し、「化学変化」と申しますか、「脳の誤作動」が起き、患部に何十倍の痛みとして命令が降りていってしまうことがあるのです。
その結果、通常の治療のやり方では、とても追いつかず、なかなか簡単にはいかないのが現状です。