顔面神経麻痺の兆候とは
─ 寒い時期、精神的な疲れ、ストレス、睡眠不足等が原因となる ─
私が必ず治療の中に取り入れている後頭骨へのアプローチは、『クラニアルテクニック』と言いまして、カイロプラクターでもかなり熟練の技術がいるテクニックとなります。
まず後頭部の歪みを治し、脳から全身に流れていく脳脊髄液の流れを良くしていくのですが、このとき律動(りつどう)と言いまして、意識を集中しながら、呼吸とほぼ同等のリズムで頭蓋骨の調整を行い、全身に流れる脳脊髄液の流れを正常に促していくのです。
クラニアルテクニックの治療
脳脊髄液の流れが良くなりますと、一般的には、自律神経が安定して、ホルモンバランスの改善、顎関節症の改善、体全体のリラックス効果など、様々な良い効果が現れてくると言われています。
この治療のときに、もし首の後ろや耳の後ろあたりが異常に張っているなどの症状がある場合、顔面にいく顔面神経管の流れをよくしていくことにより「顔面神経麻痺の兆候」を未然に防ぐことができる場合があります。
顔面神経とは、12対ある脳神経の中の7番目の神経の事で、脳または脳から顔面に出てくる経路のどこかで障害されて起こる病気の事を言います。
そして障害部位により、「中枢性」と「末梢性」の2つに分けられます。
@中枢性は、脳腫瘍や脳梗塞などの合併症として多くみられます。
A末梢性は、ベル麻痺が70%を占め、疲れによる単純ヘルペスウイルスの再活性化が原因と言われています。
症状が進みますと、顔面神経が炎症により腫脹し、顔面神経管の中で圧迫され変性する事により引き起こされると言われています。
症状としては、片方の眼瞼が閉じにくい、歯磨きをしていたら片方の口角から漏れるなどが挙げられます。
また、中枢性麻痺と末梢性麻痺の違いは、オデコにシワをよせて、両方のオデコに左右対称にしわ寄せが出来るときには中枢性麻痺、麻痺側のオデコにしかシワ寄せが出来ない、もしくは出来ても弱い時は、末梢性麻痺と判定します。
普段生活のなかで起こりやすいのは「末梢性顔面神経麻痺」です。
通常、顔面神経麻痺が起こってしまった場合、10項目のテストを行い、その点数の結果で麻痺の度合いを判定していきます。
1. 顔の緊張度合い(普通の顔で)
2. 額のしわ寄せ
3. 軽く眼を閉じる
4. 強く眼を閉じる(完全閉眼)
5. 瞬き
6. 鼻のしわ寄せ
7. 「イー」という(両口角を外側へ広げる)
8. 口笛を吹く
9. 頬をふくらませる
10. 下口唇の左右への可動
そして治療としては「ステロイド」の点滴を投与して、顔面神経管の炎症に対する治療を行っていきます。
あまりに炎症度が強く、症状が強く現れている場合は、手術が必要になってきます。
私としては、その様な大変な状況になる前に、兆候として、例えば、後頭部近くの首の上部が異常に張る、耳の後ろあたりがかなり凝るなどの症状が現れたときに、当院の治療を早めに受けていただき、流れを改善して最悪の状態にならないようにしていく事が何より大切だと考えます。
顔面神経麻痺は寒い時期に多くみられ、男性より女性に多く、過度のストレス、過労、睡眠不足なども原因の一つだと考えられています。
以前、患者様の娘さんが首の後ろと耳の下あたりが異常に張っており、顔もピクピクけいれんが起き始め、いわゆる「顔面神経の兆候」がでているとお聞きして、すぐに来てください!とお伝えしたのですが、「仕事で海外に行くことが多く、忙しくて」という理由で来れず、そうこうしているうちに顔面神経麻痺になってしまい、結局、手術をして半年間仕事を休まれたそうです。
このようなケースもあり、その後、兆候がある患者様は一人も見逃さない様に努力してまいりました。
当院の【クラニアルテクニックの治療】で後頭部を整え、脳から全身に流れていく【脳脊髄液の流れを正常に整えていく事】により、免疫力を高め、顔面神経管の流れを少しでも良い状態に戻していくこで、未然に防いでいく事を目指していきます。
患者様の中でもしこのような兆候を感じている方がみえましたら、当院で早めに治療をしていく事をお薦めいたします。