シビレは最後にとれていくもの!
シビレは最後にとれていくもの!
「先生、手の指先が最近シビレるんです」と言って来院される患者さんも多くおられます。病院では「首のレントゲン」のみをとって判定する場合がよくありますが、この場合、頚椎(けいつい)からでてくる神経が関係してくる場合ももちろんあるのですが、そればかりではありません。
【MRIを撮らなくてもヘルニアの位置は分かる】
ちなみにMRIを撮らなくても、触診と検査で仮に「ヘルニア」があっても、何番目のヘルニアかはすぐにわかります。たとえば、頚椎5番目の上の神経にヘルニアがあると、上腕全体に違和感やシビレを感じ、頚椎6番目は、前腕から親指〜人差し指あたりがシビレてきます。7番目は中指に出てきます。7番の下の神経からは、薬指〜小指に症状が出てきます。最後に、胸椎の1番の下の神経からは、上腕の裏側に痛みやシビレ等が出てきます。
【胸郭出口症候群というシビレもある】
そのほか、手の指先がシビレる場合、首だけの神経圧迫とは限りません。聞き慣れない言葉だと思いますが、胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群といわれるものがあります。
これは、首からきている神経がどの位置で圧迫されているかで3種類に分けられます。これも全て触診と検査で特定できます
① 斜角筋(しゃかくきん)症候群:頚椎からでて第1・2肋骨の間で神経が圧迫されることにより胸郭全体に痛みや違和感をつくってしまうものです。
② 肋鎖(ろくさ)症候群:鎖骨とすぐ下の第2肋骨の間で圧迫して起こすものです。
③ 過外転(かがいてん)症候群:鎖骨と大胸筋の一番腕より側についている小胸筋の間で神経が圧迫されることにより、胸郭から腕全体に痛みや違和感をつくってしまいます。
【肘や手首でも圧迫されると指先はシビレる】
そのほか、肘の肘頭(ちゅうとう)の位置の狂いや、手首の関節が腱鞘炎などで動きすぎていたり、ゆるくなっていても指先まで影響が及びます。
首から出ている神経は、全部指先までつながっていきます。どこの場所で圧迫されているかで、名前が変わるのです。しかも体の芯に近い方から、動脈、静脈、神経という順番になっています。
そこで、何らかのかたちで阻害されてしまうと、当然、血液の循環やリンパ液の流れも悪くなっていきます。
一番大事な事は、どこの部分で圧迫されているかを探し出して、まずはそこの部分の神経の通り道や血液等の流れを改善してあげることです。
【シビレは一番最後にとれていくもの】
ここでは頚椎について主にお話してきましたが、腰椎(ようつい)も一緒です。まず、根本的に構造的にしっかり治していったあとに、はじめて感覚神経のシビレは治っていくものなのです。
少し根気が要りますが、「そういえば、最近あまり感じないなあ」という感じがでましたら、あとは割りと早く消えていくこともよくあります。
なので、そこを目指して頑張っていきましょう。