女性にとっての骨盤調整
骨盤調整について
腰痛には3パターンある
【前方から見た骨盤】
骨盤調整とは、ただ骨盤を矯正すればよいというものではありません。
一番大切なことは、人間を部分的に診るのではなく、全体として診ることです。
骨盤を治療するにあたりまず必ず診なければならないところは、頭蓋骨です。
頭蓋骨を正しい位置に戻し、正常に動きがあるかどうかを可動触診しながら、治療していきます。
頭蓋骨と骨盤の中心にある仙骨のラインは、脳から脊髄の中を通って仙骨までいく脳脊髄液の流れを手助けしています。この流れを正常に戻してあげることが重要で、この一連の動きを「頭蓋律動運動メカニズム」といいます。
つぎに、骨盤を中心とした治療を行います。仙骨を中心に考えた場合、前方から見て、仙骨を中心に骨盤が外に開く「外方寛骨」、また逆に、骨盤が内側に入る「内方寛骨」、また、前方にいく「前方寛骨」、後ろにいく「後方寛骨」と呼びます。
さらに、「レントゲンで異常なし」と言われたケースでも実際に可動触診をしてみると、異常をおこしている場合はよくあります。
【パターン①】
例えば、人間が歩行するときに通常は寛骨(骨盤)が前方に行ったり後方に行ったりしながら歩いているのです。そのときに正常であれば、仙骨は寛骨と逆の動きをします。ところが、足を捻挫するなどの何らかの原因でこの動きが正常にならなくなってくると、かばい歩きをし腰痛の原因の一つになります。
【パターン②】
つぎに、歩行中に寛骨(骨盤)が前方、後方に動いている中で、仙骨が正常な動きをせずにロックしてしまっている状態があります。この場合、骨盤の横の安定が悪くなり、腰痛の原因にもなってきます。
【パターン③】
最後にこれが一番大変な状態で、きつい症状がでている場合が多いのですが、例えば、寛骨(骨盤)が後方に動いているときに仙骨も同時に後方に動いてしまい、ロックしてしまっている状態をいいます。この状態は、ふつうでは起こりませんが、何らかの理由で長年負荷がかかってしまった結果、起こってしまうのだと思います。
これを治していくには、少し時間がかかると思いますが、がんばって治していくしかありません。
上記の症状をよくチェックしながら、治療していくことが必要です。
これらの症状を、正しい位置や動きをつけていくことにより、内臓の働きや基礎代謝がアップして、血液やリンパの流れも良くなり、女性にはうれしいダイエット効果にもつながっていくことになります。
『出産後の骨盤調整について』
女性ホルモンの1つに「リラキシン」というホルモンがあります。
月経前や、妊娠3、4カ月頃〜産後2、3日の間まで分泌され、お産をスムーズにするために、(主に恥骨結合ですが、)骨盤全体の靭帯を緩める働きをするといわれています。
産後1ヶ月くらいは、緩んでしまった恥骨結合を中心とした骨盤全体の靭帯は、自然の力で再び元の位置に戻ろうとしていきます。
この期間は骨盤ベルトをするなどして、なるべく穏やかに安静に過ごすように心掛けましょう!
そして、産後1カ月くらいを過ぎましたら、早めに「出産後の骨盤調整」の治療のために来院されるとよいと思います。5〜6回くらいの治療回数を目安として、骨盤調整だけでなく、おそらく今までの妊娠生活や毎日の育児等で疲れきっていると思いますので、体全体のオーバーホールを含めて、この時期にしておくとよいでしょう。
そうすることにより、次のさらなる出産や更年期の予防にもつながっていくことになると思います。