膝の痛み
膝の水は抜かずに治る!
よく「膝に水が溜まる」と言って来院される患者さんがおられます。これはどういうことかといいますと、多くは何らかの形で膝に負担がかかってしまい、その結果、膝の関節内に炎症が起き、その炎症を少しでも抑えようとする自分自身の防衛反応のために、膝に水を溜めてしまうのです。ですから、整形外科で何回も水を抜いてきたという方がたくさんおられます(私の治療院には最高20回抜いたことがあるという方もおられました)が、結局、もとの関節内の歪みを治し安定させない限り炎症は治まらないので、いわゆる「水」は湧き続けてしまうのです。この水は本来、関節の滑りをよくするとともに軟骨に栄養を与える役割もしているといわれますが、いったん関節内に炎症が起きてしまうと、過剰に「水」を出してしまうのです。これがひざに水が溜まった状態で、曲げると関節包が圧迫されて痛みをつくってしまうのです。
原因は大きく分けて2つあります。
原因① 1つは外傷性の損傷で、膝に負担がかかってそのために炎症をおこしてしまうケースです。これに加えて、「何もしていないのに自然と水が溜まってしまった」という方も意外に多くおられます。これはどういうことかといいますと、一番多いケースは、油っこい物の摂り過ぎや乳製品の摂り過ぎ、もしくはアルコールの飲み過ぎなどにより胆のうもしくは肝臓に負担がかかり過ぎますと、その関連する筋肉は右の膝の裏の膝窩筋(しっかきん)ですから、そこが筋力低下を起こすと、膝の支えが悪くなり、結果、いわゆるズレルことにより炎症が起きて水が溜まってしまうのです。
この場合、一番早いのが、カイロプラクティックの治療をしっかりとして膝のズレをまず治し、早い段階で安定させると、あとは自然と水はひいていきます。家では、脂っこいものや、乳製品等は、2〜3日から4〜5日は控えて、無理しない様にしていくとなおよいと思います。
【変形性膝関節症は初期に治す!】
原因② 2つ目は、変形性膝関節症を伴って、さらに水が溜まってくるケースです。この場合は、少し厄介で、膝関節症がどの段階まで進んでいるかによって、治り方が変わると思います。変形性膝関節症の場合、もしも初期の場合は、しっかりカイロの治療をして、早く安定させてしまうと大変な段階までいかずにすむことがよくあります。歩きだしが出づらい、最近、膝に違和感があり腿(もも)の前側や内側が張ってくる、階段の上り下りに痛みを感じるなどの症状が出始めたら、出来るだけ早めにカイロの治療を受けて、治してしまう方が一番よいと思います。そうすることにより、最終的な「軟骨がすり減ってもう手術しかない!」という状況は防ぐことが出来るようになります。