カイロプラクティックさかいニュース
『乳製品の摂り方はバランスが大事』
そもそもミルクというものは、哺乳動物にしかないものなのです。赤ちゃんは体温が高いので、生まれてすぐ高脂肪・高たんぱくの栄養を与えないと死んでしまうため、母親が母乳いわゆるミルクを与えるわけです。しかし、哺乳動物はいつまでも栄養価の高いミルクばかりに頼っているわけにはいきません。あるときをさかいに「離乳」していくわけです。ミルクの糖分である乳糖を分解する酵素であるラクターゼがきわめて少なくなっていくため、ミルクを受けつけなくなるからです。ラクターゼの活性は、生まれた直後にピークになり、その後成長していくにつれて急速に低下していき、ついにはほとんどなくなっていくと言われています。これはよくあることですが、ミルクが分解されないまま乳糖がそのまま大腸にいくと、一過性の下痢が起きたりします。ですから、幼少期の頃は体にとっても良いのですが、大人になるとマイナスに働くことも考えられます。患者さんには「骨を強くするために嫌いなんだけど、毎日飲むようにしてるんです」といわれることもよくあります。しかし、骨はカルシウムだけで構成されているわけではありません。牛乳はその一つだけをとってみると、たしかにカルシウムが多くてよいのですが、日本人は欧米の人たちに比べて乳糖を消化する酵素が少ないため、今の時代の食生活を考えると、やや脂肪分の採り過ぎになってしまうと思います。まだ、普段の食生活が和食中心に食べている方たちは良いのですが、揚げ物、フライ、天ぷら等々が大好きな方たちにとったら、やはりあまり乳製品は採り過ぎない方がよいでしょう。
カルシウムは、和食を中心にした食べ物、お魚類や納豆等々にも多く含まれていますし、外に出て日光を浴びることや布団に寝るなどの日本的な習慣のなかにも骨を強くする要素が含まれています。
ですから、カルシウムのために「牛乳、牛乳」と騒ぎすぎる必要はないということです。カイロプラクティック的に言えば、脂肪分の採り過ぎは、内臓―抑制反射という仕組みを介して胆嚢に負担がかかり、その結果その関連筋等が筋力低下を起こしてしまう関係で、膝に水が溜まりやすくなったり、寝違えを起こしやすくなったり、腰痛や右の肩が張ってきたりすることがよくあります。こういう場合は、2〜3日乳製品や脂っこい物を控えてみると良くなる場合があります。乳製品は、他の食事とのバランスもよく考えたうえで、摂取していくとより素晴らしい食品になると思います。